こんにちは!たにしマン(@millionworkout)です!
マルクスを研究する著者が辿りついた、新しい「資本論」の解釈を述べている本です。
すなわち、地球を救うには「脱成長」しかないと。
「資本論」をたいして知らないので何が新しいのかはよく分かりませんが、言いたいことは分かった気がします。
地球ではなく、人間にとっての持続可能性
電気自動車 や 太陽光発電 への 移行 は 必要 で ある が、 技術 楽観 論 に 未来 を 委ねる こと は 致命的 な 誤 ちと なる。
斎藤幸平. 人新世の「資本論」 (集英社新書) (Kindle の位置No.925-926). 株式会社 集英社. Kindle 版.
ここ数年でSDGsやESGという言葉が一般的に使われるようになってきました。それほど、地球環境の現状は深刻だということかもしれません。
二酸化炭素の排出量を減らそうとか、環境に悪いことは止めようと言われたときに、前提として「今の生活は犠牲にせずに」が暗黙の了解として含まれてしまいがちです。
極論をいえば、人間が自動車もガスも電気も使わずに草とか虫を食べて20歳くらいで死ぬのが一番地球にやさしいはずです。
著者はそこまでしろとは言っていませんが、少なくとも資本主義が目指す経済成長は止めなければ地球の未来はないと言います。
どんなにクリーンエネルギーを使おうとも、そこにビジネスチャンスを見出して儲けようとする者が存在する限り、二酸化炭素の排出量は減らないようです。
安売りしているからと言って不必要なものを衝動買いしてしまうようなものでしょうか。いくら安売りしていても「買わない」という選択肢よりは絶対に安くなりません。
特に先進国は自国の二酸化炭素排出量を減らすことで頭がいっぱいですが、自国で無限に消費している財を生産してるのは新興国であり、生産過程の二酸化炭素排出には気が付かないふりをしていては意味がありません。
自分たちの消費が二酸化炭素の排出につながっているとは夢にも思わず、不必要なものをひたすら消費し続ける資本主義の前提を考え直す必要がありそうです。
地球はみんなのもの
市場原理主義 の よう に、 あらゆる もの を 商品 化 する のでも なく、 かと いっ て、 ソ連 型 社会主義 の よう に あらゆる もの の 国有 化 を 目指す のでも ない。 第三 の 道 として の〈 コモン〉 は、 水 や 電力、 住居、 医療、 教育 といった もの を 公共財 として、 自分 たち で 民主主義 的 に 管理 する こと を 目指す。
斎藤幸平. 人新世の「資本論」 (集英社新書) (Kindle の位置No.1446-1448). 株式会社 集英社. Kindle 版.
著者は、資本主義でも社会主義でもない、第三の選択肢があると言います。
すなわち、地球という「公共財」を人類全員が当事者意識をもって管理するということです。
個人の富(私富)ではなく、公共の富(公富)を最大化させるにはどうすればいいか。
70億人が協調して生きていくにはどうすればいいか。
問いが大きすぎて想像できませんが、人類は緊急課題の最中にいて、少なくとも自分のことだけを考えているようでは何も解決できないことを分かっておいた方が良さそうです。
まずは、不要な消費をやめることから始めてみるのがいいかもしれません。
以上です。ありがとうございました。
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